【重要】当店お買上げ品(新規受付け)の湯もみ型付けは現在納期50日~です。(他店購入のお持込み品は75日~)
現在120個以上をお預かり中。ひとつひとつ丁寧に作業しています。
●ヒモ切れ修理については出来るだけ当日渡しで対応しています。メンテナンスは購入してくれた選手との約束と考えています。遠慮なくお持ち下さい。
型付け・修理の納期は「現在の納期目安」をご確認下さい。

グラブのお手入れ方法についてはお客様によく聞かれます。使いやすくなったグラブの状態をいかに長くキープ出来るか?日々のお手入れにかかっています。当店が考える「グラブの手入れ」をご紹介します。参考にしてみて下さい。

①【余計な水分を抜く】

一番大事なことはグラブを乾燥させることです。グラブ(革)にとって大敵は余計な水分です。濡れた状態で長い間置いておくとあっという間に劣化が進みます。練習で使ったグラブは泥や汗で見た目以上に水分を吸っています。

バッグに入れっぱなしというのは厳禁です。必ずバッグ・袋から出してグラブフォルダを外した状態で水分を飛ばしてあげること、これを毎日やるだけで後々に大きく変わってきます。練習で疲れて帰ってきてついつい妥協してしまいがちですが必ずグラブはバッグから出して乾かすクセを付けましょう。直射日光を避け風通しのよいところで乾かします。

コレだけでお手入れの半分以上は出来ているといってよいと思います。 

②【汚れを落とす】

練習から帰ってきたらバッグから必ず出します。その時にひとつ手を加えましょう。汚れを落としてやることです。雑巾タオルやブラシで泥汚れを落としてあげましょう。これで乾きも早くなりますし革の劣化を軽減してくれます。

汚れがひどい時はレザーローションやクリーナーを使っても良いでしょう。このときローションを塗り過ぎないように雑巾タオルに少量を取って薄く伸ばすように使います。ローションを使うとグラブは一時的にしっとりしますのでそのまま乾かします。決してバッグにしまわないようにしましょう。

注意点は毎日のようにレザーローションを使わないということです。革がベタベタになり、コシがなくなり、重くなる原因になります。学生は特に「グラブの手入れは毎日やるように」と言われていると思いますが乾燥とブラッシングによる汚れ落としが基本だと覚えておきましょう。

③【油分を補給する】

グラブオイルを塗る頻度は1週間に一度くらいがひとつの目安です。毎日塗る必要はありませんので注意して下さい。オイルを塗るサインは革がカサカサしてきたタイミングです。ボールのあたる捕球面、地面に擦る指先や革ヒモなどは摩擦でカサカサになりやすい部分です。汚れを落とした後にカサカサしている箇所へ少量を薄く伸ばすように塗りましょう。それ以外は塗る必要はありません。

汚れを落とすのにレザーローションを使った日はオイルを塗らなくても大丈夫です。必要以上に塗ると油分でフタをしてしまい余計な水分が残りやすくなります。また塗り過ぎはグラブが重たくなり柔らかくなりすぎてコシがなくなってしまいます。カビや型崩れの原因はオイルの塗り過ぎによるものが多いので注意して下さい。

また湿った状態や汚れた状態のままオイルを塗るのは厳禁です。必ず乾かして汚れを落としてから塗るようにしましょう。

④【革に栄養を与える】

矛盾するようですが革には適度な水分・油分が必要です。完全に水分が抜けてしまった革はかたく固まってしまい革が切れたり破れやすくなります。しかし1~2週間で乾き切るほど簡単に抜けることはないので安心して下さい。陽のあたる場所で何ヶ月も放置してしまったようなグラブはカチカチ・カサカサで干からびたような状態になります。

こうなる前に使うのがコンディショナー・ケアクリームなどといわれるオイルです。オイルといってもいわゆる化粧品と同じ成分で作られており油分が少なく革の保湿に重点を置いたオイルになります。グラブも重たくなりにくいので安心です。高価ですが革に栄養を与え良い状態に保つ保革効果は抜群です。いい状態を長持ちさせ型崩れを防ぐことにつながります。

ただし上記の①②③のお手入れをしていれば基本的に大丈夫ですので頻繁に塗る必要はありません。グラブの状態が一番使いやすいピークをむかえた頃から使い出すようにします。(目安としては2~3週間に一度で大丈夫です)

 

お手入れ方法の正解はひとつではなく使用頻度や汚れ具合、湿り具合、手汗量の多少などで変わってきます。今お使いのオイルも使い方を間違えなければ大丈夫ですので新たに購入する必要はありません。

 大切なことは自分のグラブを毎日よく見てあげること、そしてグラブの変化に気付いてあげることです。大事にお手入れしてあげればココという場面でグラブは必ず応えてくれると思います。  


 【ワンポイントアドバイス】

 

 乾かす時のグラブの置き方は写真のように立てて置くようにします。接地面を少なくして乾きを早くすると同時に型崩れを防ぎます。移動時(バッグに入れている時)は出来るだけグラブフォルダを使うようにしましょう。グラブフォルダを着ける際に挟むボールは大き目のソフトボールを使うかボールにタオルを巻いて少し大きくして挟むようにします。グラブフォルダはあまりきつくせずボールが外れない程度で巻いておけば大丈夫です。既に型が付いているグラブに余計な負荷をかけないことが大事です。

 汚れを落とす時に雑巾タオルも良いですがブラシがあると便利です。細かい部分の埃や泥などを取り除くのが楽になります。ヒモやウェブ周りは以外に見落としがちですので注意しましょう。ブラッシング後はオイルが浸透しやすくなりますのでオイル塗布時のベタツキを軽減出来ます。また平裏部(手の平)の汚れ、湿りにも気を付けます。守備手袋をしない選手は特に汗で痛むのが早いのでレザーロションなどで汚れを落とすようにしましょう。

 オイルを塗る時には出来るだけ少量を薄く塗るようにします。最近の市販オイルは浸透性が高いためつい塗り過ぎてしまうことがありますので注意して下さい。少量でも十分効果はあります。またグラブ本体のカサカサはすぐに気付きますが見落としがちなのが革ヒモです。ヒモが乾いていると見た目は弱ってないように見えてもあっさり切れます。ウェブ周りなど切れやすいところは特に注意しましょう。スポンジやハケなどで液体オイルを使うと塗りやすいです。さらにクリーム状ではない固形オイルを塗った後は乾いた布で乾拭きするか軽くブラッシングしておくのもオススメです。オイルが均一に伸び浸透しますので効果がより大きくなります。

 コンディショニングオイル(保革専用のコンディショナー・ケアクリーム)はグラブの状態が一番使いやすいピークをむかえた頃から使いだしましょう。効果を最大限発揮させるため、しっかり乾かし汚れを落としてから塗るようにします。学生の方なら試験休みなどでグラブを休ませる(しっかり乾かせる)時間を取れるときに行うのがベストです。ヒモや痛みを念入りにチェックしてこのタイミングで修理などをしておくのもオススメです。次の出番に向けてしっかりオーバーホールをしておきましょう。

 新しいオイルを購入した時は影響の少ないところで少量を試してから使うようにします。いきなり全面に塗ったりするのは避けましょう。時間経過後の効果(乾き具合や色着き)をシッカリ把握してから使うようにすると後でガッカリということがなくなります。 


【グラブオイルの種類】

グラブオイル(メンテナンス用品)は各メーカーから様々なものが発売されており迷ってしまうと思います。成分に大きな差はありませんのでグラブと同じメーカーのオイルを使う必要はありません。価格もピンキリでビックリするような高価なものもあります。高価なオイルも使い方を誤るともったいないことになってしまいます。大事なことはオイルの効果を知ったうえで自分のお手入れの中でこのタイミングではこのタイプを使おうと決めておくことです。メーカーや価格に惑わされずに必要なものを購入するようにしましょう。

【汚れ落としに使用するもの】

「レザーローション」

革専用の汚れを落とすことに特化した液体状オイルです。汚れを落とすため界面活性剤や溶剤が入っています。油や保湿成分も入っていますので保革効果もあります。

「クリーナー」

ムースタイプやクリームタイプの汚れ落とし専用クリーナーです。スパイクやバッグなどにも併用できるものも多く汚れ落ちは抜群です。油分を含むものと含まないものがあります。油分を含むタイプは若干の保革効果もあります。他にウェットクロスタイプのもので非常に簡単にお手入れ出来るものもあります。小学生にはオススメです。

【油分補給に使用するオイル】

「グラブオイル」

いわゆるグラブオイルといわれるもので固形、クリーム、液体など様々なタイプがあります。革のカサつきを修復するのが主な目的です。スクワラン配合オイルと呼ばれるものは革を柔らかくするのに適しています。まだグラブが硬く柔らかくしたい場合にはこのタイプを使うと良いと思います。既に型が出来上がっておりこれ以上柔らかくしなくてよい場合はスクワラン配合オイルではなくコンディショニング系のオイルに切り替えましょう。

「コンディショニングオイル」

形状や成分共にグラブオイルに似ていますがグラブを良い状態に保つための保革に特化したオイルです。コンディショナーと呼ばれたりします。当店が「ミズノ匠仕上げ加工」の際に使用するオイルは化粧品に使われるヒアルロン酸やコラーゲンが配合されており革のモイスチャーバランスを最適に保つ効果があります。コンディショニング系オイルは比較的高価になりますがグラブの良い状態をより長くキープしてくれます。しかし革を柔らかくするのには向いていませんので新品のかたいグラブには適しません。型付け済みグラブや使い込んだグラブのお手入れに使うようにしましょう。

「ミズノ匠仕上げ加工」についてはこちら 型付けの種類(メニュー) をご覧下さい。 


【当店のオススメ用品】

日頃の汚れ落としにはゼットの野球用ウェットクロスが非常に簡単で使いやすいです。1枚でグラブ全体の汚れが落とせます。平裏部の手汗などもこれでバッチリです。汚れがひどくシッカリ落としたいときはホワイトベアのレザーローション、久保田運動具店のクリーナーをオススメしています。

  

 

革を柔らかくしたい時はミズノのレザーケアクリーム(グラブオイル)がオススメです。柔らかくて薄く塗りやすいです。浸透性も良いのでより早く効果があらわれます。何よりグラブがベタベタせず重くなりにくいのが特徴です。

 

型付け済みグラブや柔らかくなってきたグラブにはミズノのレザーコンデョショナー(固形オイル)・久保田運動具店の液体オイル、固形オイルをオススメしています。カサカサ部分へ少量を塗りましょう。液体オイルはグラブが重くなりにくい上にヒモなどの細かい部分へオイルを塗りやすいので当店の修理工房でも使用しています。

  

 

型が付いたグラブの使いやすい状態を長く保ちたいときはミズノレザーケアクリーム(保革クリーム)、レザーコンデョショナー(固形オイル)をオススメしています。レザーケアクリームは全て化粧品原料で作られておりグラブも重くなりません。傷んだ革に栄養を与えてくれますので革がもっちりとよみがえります。高価ですが現在発売されているコンディショニングオイルの中では最高峰だと思います。

 

その他に持っておくと便利な用品として「グラブ用ブラシ」「グラブフォルダ」をオススメしています。

   

 

●当店で「湯もみ型付け」「ソフト仕上げ」で型付けしたグラブは充分柔らかくなっていますので「柔らかくするオイル」は必要ありませんとお客さまにご案内しています。

●小学生の少年用グラブには「ウェットクロス」「固形オイル」の2つあればほぼ大丈夫ですとお客様にご案内しています。

●ミット(特に硬式ミット)は「柔らかくするオイル」を少量ずつ塗りながら練習で使い込んでいくことをオススメしています。